愛は要らない


結子は少し間を置いてから、口を開いた


「とても、聡明な方だと思います。嫌みを言う女性陣を、見事にかわしておいででしたから」


結婚式のことを思い出して、遥が笑う


「18歳とは思えないよね」


閉じたファイルに視線を戻し、遥は煙草に手を伸ばしかける


「吸わないのですか?灰皿、空ですが」

「・・・やめておくよ。妻の機嫌を損ねたくはないからね」


立ち上がり、遥は会議へと向かった



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