愛は要らない
丈之助の目が、鋭く遥をとらえている
「もちろんだよ?」
「そうかの?それにしては、お前たちの間には夫婦感がないのぉ」
「夫婦感?」
綾野が、聞いたことのない単語に、首をかしげる
「男と女の匂いがせんのだ。お前たちからは」
(匂いって・・・。獣みたいな老人だな・・・)
綾野は心の中で呟く
「そんなことは・・・」
「わしの見立てからすると、お前たちは愛し合っておらんっ」
丈之助は立ち上がり、遥を睨み付ける