逢瀬を重ね、君を愛す


「と、とにかく!!ありがとうございました!!」


ペコッと頭を下げると、彼は「うん。」とだけ言った。


無愛想だな。


失礼なことを思ったが、彼は恩人。(らしい)
とっとと退散しようと立ち上がった。


「じゃあ・・・その・・・失礼します。」


そう言って立ち去ろうとしたが、大事な事を思い出した。


「あ!!アップルパイ!!!」


そのために早く帰ってるんだった!!!
急いで帰らなきゃ!!


「あのっ、ここどこですか!?」


その質問に、彼は目を大きくした。

本気で言ってるのか?と、その目が訴えるほどに。




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