逢瀬を重ね、君を愛す

「あ、そうだ!」


思い出したように彩音は
ポケットを探る。

隣にいる薫は不思議な表情を浮かべる。


「えっと……はいっ」


笑顔で薫に差し出したのは昼間に彩音が作った巾着だった。


「え…俺に?」


戸惑ったような表情の薫をみて、気持ちが沈む。


「め…迷惑だよね。」


差し出した手を退こうとしたとき腕を捕まれる。
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