Dear 最愛の君へ



「べ、別に……宿題してなかったから先に行っただけだし。」


七成『ふーん。』


「や、何もないし!
そんなジロジロ見んなや……。」


否定の言葉を漏らすがそんな言葉も全て受け流し、七成の大きな瞳は、標準サイズのあたしの瞳を捕らえる。



あたしは…………



情けない弱い心まで見抜かれそうで、

七成の大きくてきれないな瞳に映るのが、瞳の主と比べ物にならない自分なのが悔しくて、醜くくて


昔から、七成にこうやって見つめられるのが大嫌いだ。




『ナナー、おっはよ~!!
なぁ、ちょっと聞いて~?!』


七成『……んー?
何~?どうした~?』


……助かった。


早速教室に入ってくるやいなや声をかけてきた女の子の方へ、あたしからようやく目線を外し、向かって行く七成。


まぁ人気者ですこと。

まぁ女好きですこと。





< 18 / 32 >

この作品をシェア

pagetop