不機嫌な彼


真っ暗な教室にまぎれて

真っ黒な先輩がいた




「すー…」




先輩の寝息だけが聞こえる




「先輩…ッもう帰りますよ…ッ」




「…ん…」




起きる気配とかなおさらないし…

寝起き悪すぎでしょ…




「先輩…起きてください…」




「…」




少しゆすっても眉毛を寄せるだけ






「先輩…ッ」










「…うるせんだよ…」







多分寝言だと思われるけど

先輩の手があたしの頭を引き寄せた





「…え…」





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