愛の楔



「澪ー!帰ろうっ」

「………姫サン、君ね……」


疲れた顔をしながら澪が近づいてくる。
全身砂だらけの澪に憐れみしか向けられない。


「組長も、その目は止めて……」

「否、……」

「あーキモチ悪………ちょっと先に行ってるから」


テンションが低いまま澪はそそくさと車のある方に歩いていく。


「美空、何してたんだ?」

「ん?砂風呂」

「砂、風呂……?」

「もとい、何となく埋めたくなったの」


何となくで澪は埋められてしまったのか、不憫な………


今はいない澪の代わりにため息をついた。


「どうしたの?」


何も分かっていない美空は首を傾けながら見上げてくる。


それを受けながらぼんやりと思った。


「美空、今幸せか?」


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