ファーストキスは蜜の味。-ver.Ⅱ-
「ひぁ、んっ」
指先で先を弾くように引っかけられ、体の力が一気に抜けた。
ガクンッと体勢を崩したあたしを、いとも簡単に抱きとめた。
体が熱い。
熱くて、自分の体じゃないみたいに痺れる。
「俺のこと、好きっていえよ」
耳元でささやかれるのが弱いあたし。
背中から、恭兄のあったかい胸を感じる。
「だ、ンいっ、スキ……」
せいいっぱいいった言葉に、恭兄はふっと息を吐いた。
「当然だ」