アリスとウサギ
ウサギはあくまで客としてやってきて、食事を楽しんで帰ってゆく。
女は必ず当然のように腕を絡め、彼を啓介と呼ぶ。
その後はきっとあの部屋で……。
ウサギとは徐々に疎遠になっていた。
大学内のキャンパスで顔を合わせても軽く挨拶をするだけ。
PCも直ったし、情報処理室で会うこともない。
初ゼミでも言葉はほとんど交わさない。
アリスは根付いたままの気持ちを持て余しながら、離れていく距離に耐えるように努めた。
間違っても自分からウサギに関わることはないように意識しながら。
そんなある日、早苗からこんな話が舞い込んできた。
「合コン行くよ」
いつになく張り切っている様子だ。
「いいけど、相手はどんな人なの?」
「みんな大学院卒の社会人。だから完全オゴリ。悪くないでしょ?」