私の好きな風景
●第1話:夕暮れの空
 たいていの人は、日の出、朝やけが好きっていう。

 静かな街、澄み切った空気、美しい太陽。清清しくて爽やかな気分になれるし、1日のスタートはシャキッとして、よし、がんばろうと思うでしょう。朝はそんな雰囲気。

 みんな、前向きに生きている。

 うーん、私はちょっと違う。朝は疲れちゃう。もしかすると低血圧かもしれないけれど、それだけではありません。

 雨降らないかなって天気予報を気にしたり、鏡とにらめっこして、遅刻しないように腕時計を見て、早足になったり、バスや電車の混雑を心配したり……。

 あるいは、その日の予定、やらなければいけないことを必死にチェック。昨日までの悩みとか失敗が復活して、胸がキューっとしめつけられて……。

 いろいろ考えると気分が滅入ってしまう。

 あー、また一日が始まるのか。そう考えるだけで疲れる。

 だから、私は夕暮れかな。

 疲れた体や心を癒してくれる。夕日を見つめながら、今日もがんばったと思える瞬間。ホッとできて気持ちが落ち着く。夕暮れはそんな雰囲気。

 それから、空の色。

 朝方の明るい青色とはちょっと違う。もっと深い色をしている。

 例えば、写真の好きな方ならば、晴れた日に西の空を見て、美しい夕日を撮りたいと思うでしょう。たいていの人はカメラやケータイのシャッターを切って満足してしまう。空の青色と夕日のオレンジ色のグラデーションがとてもきれいだから。

 でも、ちょっと待って。振り返って反対側の東の空を見て。#0066CCと#99BFBF、それから#EEF9FF。いや#BEE9E7かな。

 ちょうど、ジャズのCDジャケットの色・デザインみたいにシブくてカッコいい。ブルーの色がどんどん暗く深くなっていく様を見てほしい。

 そして、私は想像してみるのです。

 日本が夜を迎えるとき、世界のどこかで朝がやって来ると。地球が回り、世界が動いている。

 そう思える瞬間が、いちばん好きです。











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