弟~いつかの約束~
あの日から私と秋はほとんど話すことはなかった。
私にはこんな状態が嫌でたまらなかった。
『コンコン』
私は秋の部屋のドアをノックした。
秋はいるはずなのに返事がない。
私はそっとドアを開ける。
秋は何も言わずベッドに座っていた。
「あっあのね。」
久しぶりに秋と話すので緊張していた。
「この前はごめんなさい。」
私はそぉ言って秋の隣に座った。
秋は何も言わない。
「秋まだ怒ってるの?」
「俺があの日なぜ怒ったかわかるか?」
「私が邪魔したからでしょ?」
「お前は何も分かってねぇよ。」
「えっ?」
「お前俺の姉なんだろ。だったら分かるんじゃないのか。」
「何?」
秋が私に近寄る。
ゆっくり秋の顔が近づき私はゆっくり後ずさりする。
「秋何?」
私は秋の行動が理解できなかった。
「秋どうしたの?」
「お前は何も分かってねぇ。俺は俺は。」
「その先は言わないで。」
「俺はお前が好きなんだよ。」
「何言ってんのよ。私達は姉弟(きょうだい)なのよ。」
「俺達は…。」
私は秋が何かを言う前に部屋から飛び出していた。
「夏美走るな!」
秋がそぉ叫んでるのも気づかず家を出てあてもなく走っていた。
戸惑っていた私に心臓のことを考えることはできなかった。
少し走ったところで私は気を失い倒れこんだ。
私が目を覚ましたとき知らない景色が現れた。
知らない男の人が目の前にいた。
「あなたは誰?」
「夏美。」
「真。どぉしたの?」
「夏美。秋のこと忘れたのか?」
「秋?誰?」
私は秋という人を忘れていた。
どんな関係でどんな人だったのか全く覚えていなかった。
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