ハツコイ☆血肉色
☆5 ユリカ
見てる、見てる。

めちゃくちゃ見てる。


本人はたぶん、長い前髪で視線を隠しているつもりなのだろうけど、こっちはバッチリ気がついてる。


わたしは胸元がのぞける角度をキープしつつ、チーズケーキをぱくついた。


思ったとおり、チーズケーキはコンビニで売っているものとはえらい違いだった。

ここが円城寺邸でなければ、タッパーにつめて持って帰りたいくらいだ。


それにしても、とわたしは思う。

円城寺くんのおっぱい好きは、あのころとちっとも変わっていない。

そのことを最初に見破ったのは誰あろう、このわたしなのだ。

たぶん。



円城寺くんに振られてからというもの、わたしはますます彼から目が離せなくなった。

気がつけば彼をぼうっと眺めていたり、知らず知らず目で追っていたり、いるはずもない人ごみの中に彼のすがたを探したり。


そんなアンニュイな日々を送るうちに、わたしはより円城寺くんという人間を知ることになる。
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