サンデー。

顔を洗い、髪も洗ってドライヤーをかけ、洗面所を出ると、リビングで新聞を読んでる父にあいさつする。

「おはよう!お父さん。」

「おはよう。」

父は顔をあげて、笑顔を見せる。だがすぐに

「早く着替えなさい。」

とパジャマ姿のままの姫子に忠告する。

「はぁーい。」

姫子は素直に答える。


「じゃあ、行ってくるから!」

奥から声がしたので、振り向くと、スーツ姿の徹が慌てた様子でリビングにやって来た。


「徹兄さん、おはよう!」


「お!姫ちゃん、おはよう!」

「これから会社?今日ちょっと遅くない?」


「そうなんだよ。寝坊しちゃってさー。」

徹はそう言いながら、テーブルの上に用意されてたハンカチと財布と携帯電話を、上着やズボンのポケットに押し込んだ。


「あはは。兄さん、かなり慌ててるね。」

姫子は徹の様子を見ながら、可笑しそうに言った。


「はは。笑わないでよ、姫ちゃん。」

そう言いながら、徹も微笑んだ。


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