オサナナジミ
海 ①


季節は過ぎ、もうそこら中でセミが鳴いている。


『暑い゛ー』


教科書で顔を仰ぎながら胡桃と話していた。もちろん内容は間近に迫っている夏休みの事


「まだ7月だぞー。本当暑さには弱いんだから」


『暑いものは暑いの!あぁ海とか行きたいなー』


「それいい!!」


突然胡桃が大声をあげた。


ビックリした・・。


『海ぃ??』


「そう!アタシ最近彼氏できたって言ったじゃん?でも2人だけじゃ気まずいし、親の事もあるしね。そこで未穂が一緒に行けば親も納得!気まずくもならない!1粒で2度おいしい♪」


この暑いのによく動く口だねぇ。


さっきからすごいペラペラと。


彼氏と海に行くとかアタシが一緒に行くとか。


・・・?


アタシが一緒に行く?


胡桃が彼氏と海に行く。それにアタシがついていく?!


『んな事できる訳ないでしょ!つかアタシ2人のデートについてくの?気まずいのはアタシじゃん!!』


「アハハっ違う違う。未穂は健人クンでも誘って行くの!ダブルデート風に♪もしくは麻耶と純クンも誘ってトリプルとか?要はウチと彼氏をラブラブにしてくれればいいの!」


なるほど・・って感心してる場合じゃない!


『麻耶はこの前彼氏できたとか言ってたじゃん!D組の・・桐谷クンだっけ?なのに純とカップルにさせるのはちょっと・・』


「だよねー・・じゃあ未穂と健人クンで!決まり~。2泊3日くらいがいいよね。いつにしよっか?あぁそれと・・・


なんでそんなパッパパッパ考えられるの?


こちとら暑くてもう脳ミソ溶けそうなのに。



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