恋せよ乙女

┣*ずれていく


学祭まで、一週間を切った月曜日。
クラスの作業を終えたあたしは、一人、夕焼け色に染まる生徒会室にいた。

それもこれも、

“今日は僕も自分のクラスの作業をするから、紫音が先に終わったら生徒会室で待っていて。”

今朝、そう氷室さんに言われたから。

いつも通り黒皮のふわふわのソファーに腰掛け、改めて室内を見回す。普段から入り浸っているせいか、特に目新しいものは無いけれど。

部屋の隅に置かれている小さめの冷蔵庫とコーヒーメーカーを見れば、改めてここは特別な場所なんだな、と感じさせられた。

まぁ実際、その二つも他校の生徒会との交流会以外には使わないと、氷室さんが前に言っていた気がするけれど。
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