ほしいのはキミ
先輩の優しさ
その日の昼休み、あたしはグラウンドへ向かった。
先輩がもししたら外にいるかもしれないと思ったから。
グラウンドを見渡す。
あ、……いた!!
あれは絶対に先輩だ。
今朝の面影がある。
あの真っ黒な少しだけ長い髪。
スタイルのいい身体。
さわやかな笑顔。
うん、今朝の先輩だ。
あたしが先輩を見ていると、先輩と目が合った。
やばっ……!
あたしが先輩を見てたことバレたかも…!
先輩はこっちに走ってくる。
うそうそうそ。
「よっ!笹木…だよな?」
『は…い。今朝はどうも…』
やばい。
ちゃんと先輩を見れないよぉ。