初恋の味はどんな味?
目が熱くなる。



目尻から生暖かいものが頬を伝っていった。



「俺、入学式のとき、坂中サンを見つけたんだ。その時からずっと気になってた。」



肩に置かれた手が離れていった。



「席が隣になって、屋上で話して…知らない坂中サンがわかっていくうちに、"好き"って気持ちは強くなった。守りたい、そう思った。でも…」



黒木君は悔しそうに唇を噛み締め、俯く。



「守れなかった。」
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