初恋の味はどんな味？

第１章 〜私のハツコイ〜

＊席替え

高校１年生のとき。



周りの女の子達は恋してる。



だけど……私はしてなかった。



…と言うより、出来なかった。



"好き"という感情がまったくわからなかったからだ。



――好きな人いるの？



そう聞かれると私は苦笑いしてこう答えた。



――いないよ。



そう言うとたいていの人は"隠してるでしょ!?"と言う。



隠してなんかないよ。



ホントに出来ないんだ。



誰か、私に"好き"と言う感情を教えてよ。



そう思いながら毎日、高校生活をただ過ごしていた。



実は近くに恋愛が転がっていたのに気付かずに――。


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