初恋の味はどんな味？

｢坂中さんって、窓の外の景色眺めるの好きだよね。｣



ふいに声をかけられ、私はびっくりしながら声がした方を見た。



黒木君がニコニコ笑いながら私に話しかけていた。



その笑顔にまた胸がキュンとなる。



周りの女の子はみんな席についていて、いつの間にかチャイムが鳴っていたことに気付く。



｢外の景色眺めてると…気持ちが落ち着く……から…。｣



口下手な私は話すことが苦手だ。



仲の良い友達ならスムーズに言葉がでてくるけど、仲がそんなに良くない友達や男の子にはぎこちなくなってしまう。



｢確かに空とか眺めてると落ち着くよね。｣



そんなぎこちない私の話し方でも黒木君は普通の女の子達と同じように話してくれた。



私にはそれが嬉しかった。