切恋~First Love~
「南美ちゃんっ!」
出た瞬間、ドアの向こうから顔を覗かせたのは流菜ちゃん。
「・・・わっ、流菜ちゃんも終わったの?」
「うん、30分くらい前かなぁー?1人で帰るのも寂しいから待ってたんだー」
・・・かなり早いですな・・・。
「ありがとっ!もう帰る?」
「うん。あ!隣のクラス、見ていかない?」
・・・・・・えっ?
隣のクラスって・・・神崎涼のクラス・・・だよね?
「・・・何で?」
何で、流菜ちゃんが隣のクラスを気にするの・・・?
「だって神崎君いるんだよ?佳耶ちゃんの好きな人だよ?今何してるか、気にならない?」
・・・・・・あ、そういうこと。
そっか、そうだよね・・・。
自分の中で勝手に納得する。
流菜ちゃんは佳耶の恋を応援してるから、気にしてるんだよね。
あたしはさっき、何をそんなに焦ったんだろう。
あたしの下心がバレたんじゃないかとか。
流菜ちゃんも神崎涼のこと好きになっちゃったんじゃないかとか。
変なことばっかり頭に浮かんだ。
流菜ちゃんが神崎涼のこと好きになるわけ、ないのに。
大好きな彼氏がいるのに。
あたしは、どんどん悪い方向に考えてしまう。