切恋~First Love~


結局数学が終わった後、数学担当のオバさんの呼び出しを食らった。


次の授業が始まるまで廊下で説教。


神崎涼や尾崎君もいた。


でもオバさんの説教なんて馬耳東風。


あたしの意識は完璧に神崎涼と尾崎君に向いている。


視線は廊下の床と神崎涼の足元と尾崎君の足元を行ったり来たり。


・・・そして果てしなく眠たい。


はああ。


自然と溜め息が出る。


この頃物凄く憂鬱なのは何でなのかな。


何の足しにもならない説教を聞いた後、あくびをしながら教室に戻った。


次は社会だから・・・弱メンの授業か~・・・。




放課後、いつものように佳耶と一緒に帰ろうとしてたら流菜ちゃんに呼び止められた。


「流菜ちゃん?どうしたの?」


今の流菜ちゃんはいつものようなハイテンションな声音じゃない。


佳耶も気付いたのかな、流菜ちゃんを少し心配してた。


「うん、あのね?流菜、南美ちゃんと佳耶ちゃんに言いたいことがあるんだぁ・・・」


心なしか、少し不安そうな顔をしていた。


すると流菜ちゃんの隣にいた子が意味深な言葉を口にした。


いつも流菜ちゃんと一緒に帰ってる子だと思う。


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