草食男子に恋をした!


「歩ちゃん?」

ハッとした。



あたしが固まってたから、

よほど容態が悪いと勘違いしたんだろう。



「やっぱ、保健室いく?」

ぶんぶん首を振った。



目の前の彼が、心配そうな目であたしを見ている。


ち、近い。

こんな近くで今、向き合ってるなんて。




そういえばこの前、

荷物拾ってくれた時もしゃがみ込んで向かいあったっけ。




「優しいね、間宮くん。そういう所、すごく、す、好きだなぁ」


い、言っちゃった!


だってまずは、好意を持ってることに

さりげなく気づいてもらわなきゃ始まらないんだ。


男の子は自分に気があるって分かると、

それだけでかなり意識するようになるらしいし。


ああ恥ずかしい…。

でも、少しでもあたしの気持ちに感づいてくれればいいんだけど…。


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