【完】先輩と保健室で



「ケーキ、今日はいらない。」


「……え…?」


その瞬間、心臓にドクンと嫌な脈が打つ。

…いらない?


「先輩…何で…」


「じゃあ。」


そう言って、そのまま先輩は学校に行く道を歩いていく。


「先輩、まっ――」


「きゃああ!熊切先輩!!」


私の先輩を呼ぶ声は、他の女の子の黄色い声にかき消されてしまった。


学校が近いからか、周りには同じ服を着た人たちが沢山いる。


先輩…やっぱり凄いな。

でも…


「ケーキいらないって…どうして…??」


嫌な感情と考えが、次々に心の底から沸いてくる。



< 188 / 389 >

この作品をシェア

pagetop