純白の翼
「居るんだろう?零。」


誰もいなかった場所に、振り向くといつの間にか少年が一人立っていた。

金糸のように見事な金髪に、青色の瞳の少年は、苦笑した。
「人間に見破られるのも、心中複雑だな。」
「俺をそんじょそこらの人間と同じ扱いにするのかい?」
「腐っても人間は人間だからな。」
「ま、ちゃんとこいつは驚いたみたいだぞ~。」
僕に向かって、少年は会釈した。
「綾野零です。はじめまして。
二つ名は…忌桜。」
零の目が微かに光った。
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