純白の翼


「千秋、そう名付けたのは僕だったね。千春と対極の名を与え、君を封じてからどれくらいたった?」
「もう覚えてないな。」
千秋は、静かに言った。
零は、驚いたようにこちらを見ている。
はっきり言って、余り心地良い視線ではない。
「近藤千春の人格の崩壊が進めば、三善の目的にも差し支える。
だから、精神の発達が追いつくまで俺を千秋として人格を完全に分断し、封じた。」
「私の目的まで、分かっているのか?」
「何度か、千春が眠っている時に身体を使って三善の事は調べたからな。
無名だった陰陽師の末裔が、高校を卒業した途端に表で大学に通いながら裏側では高等妖怪の殲滅や、海外の教会との接触等派手に活動している。
『堕天使狩りの三善清隆』
裏世界の通り名が俺にばれないとでも思ったか?」
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