王国ファンタジア【雷電の民】

side 使者


先程から出てきた霧は段々とその濃さを増し、やがては1m先も見通せないほどになっていった。


まとわり付く水蒸気が容赦無く体温を奪い、真っ白な視界が先の見えない不安が心を蝕む。


それでも、俺が歩みを止めないのは待っている人がいるからだ。
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