シルバークリスマス
僕は奈津美の頬を想った。柔らかく弾力のある肌。僕は彼女の頬に手を当て、駅のホームで別れを何度も惜しんだ。いつも、いつも。七年間。それは僕らに何を与え、何を奪ったのだろう。彼女は命を無くし、僕は妻を失った。僕は引き続き細々と生き続け、今は彼女の母親と、一緒に居る。そしてどこへ向かうのか、分からない線路の上に居る。銀河鉄道999に飛び乗った星野哲郎よりも行き先が分からない。
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