Utopia

台風









「はーい、朝ですよー。起きないと遅刻…しないんだよね、お前らは。でも私はするんだよ、だから起きろ!」


一息でそう言って、陽希の布団を放り投げる。次は奈津希だ。


「ほら起きろ起きろー…ってぎゃあ!!」

奈津希の敷き布団を引っ張りあげる(つまり奈津希を転がす)と、後ろから引き倒された。



いきなり視点が反転して混乱していると、密さんよりもだいぶ明るい金色が視界に映った。





「おはよー…優季ー。」
「…おはよう、どけ。」



私の上に乗っかっているのは陽希だった。もはや日常茶飯事なので、何もいうまい。





「んだよー、俺、二時間しか寝てないんだけど。優しくしてよー。」
「知るか、我が家は家の中にいるやつは同時に食事をとるっていう決まりが…ってバカ奈津!寝るな!私だって眠いんだよ!」
「……俺、今日授業ねぇもん。」
「だから我が家には…」
「優季ー…。」
「ああもうバカ、寝ぼけてんなエセホスト!どいてよ陽希!」



いつものことながら、近所迷惑だろうと思う。








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