この空の下に
初めての塾は楽しかったけど、慣れない環境で疲れた。
友達作りたいなって思ってたけど、自分のことでいっぱいいっぱいで、話しかけられなかった。

今日は早く帰って寝よう!!
そうひとりで考えながらロビーに向かうと、何やら事務室から声が聞こえてきた。


「鹿山中って数学どこまでやってましたっけ?
今日入ってきた松野、全然できてなかったんですよ」

「あの学校進みが遅いんですよ。
俺がちゃんと面倒見るんで。
苦手ではあると思いますが、やればできる子だと思います。」

フォローしてくれた深谷先生の優しさに感謝して、静かに塾から出た。
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