Tears〜硝子細工の天使〜
普段お酒を飲まないかほは
アルコールの勢いで
知らず知らず眠ってしまったようだった。
ふと目が覚めた時
背中越しに
よしきが誰かと電話で話している声が聞こえた。
「もちろん、愛してるよ」
《えっ?誰に言ってるの?》
かほは一気に目が覚めた。
そしてそれを悟られないよう
体を固くして身じろぎもせず
じっとよしきの会話に耳を傾けた…
心臓の鼓動だけが
今にも爆発しそうに
大きな音を立てていた。