みずいろ

閉ざされた過去


遅いな・・・。



2時をまわっても、3時近くになっても、いつものように「こんにちは」という彼女の声は聞くことが出来なかった。



そういえば、今日・・・


「入学式、っつってたな・・・」


なんて自分に言い訳。



昨日の光景のことなんか、考えてやんねーから。



って言いながら、結構こたえてるかも。


ハハ・・・・。



ベッドの上で笑った時に、コンコンと鳴ったドアの音に、思わず立ち上がって直立しちまったのは・・・我ながら情けないと、思う。



「ど、どうぞ・・・」


裏返った声を隠すように咳払いをすると・・・・



「ユウくん・・・?」



顔を出したのは、彼女ではなくて・・・・幼なじみ、マアコの母親だった。



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