トゥエルブ・マーダーズ


面と向かって【レイン】の言葉を書き取る際、【レイン】はいつも以上にゆっくりと、そして言葉を選んで僕のペースに合わせてくれた。


僕はただ、【レイン】が紡ぎ出すスピードでその真実を書き記していけばよかっただけだ。


【レイン】はそんな僕をその深く、それでいて澄んだ鮮やかな色の瞳で見つめ、されど光のない眼差しで一点を凝視する鋭さを隠すようなことはしなかったというのに。




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