帰る場所。
ふわふわ。
白くて冷たい…

なんて言ったっけ。

ふわふわして、冷たくって空から降ってくる…『雪』だ。


足がすごく痛い。
冷たすぎて、歩くのが限界。


それに、疲れちゃった。
ケガもしちゃったし、なんだか眠いや。


こてっと座り込んでしまった。

もう少しで…私…


「猫、何してんの?」


顔を少しあげると、人間がいた。

不思議そうにしゃがみ込んで私を持ち上げた。


「危ないぞ。雪降ってるし、ここ車通るし」


『ニャァー』


小さい声で鳴いてみた。


鳴いてすぐ、私は眠ってしまった。


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