サクラナ
 正月になった。サクラナから年賀状がきた。

 あけましておめでとう。今年もよろしく。

 との決まり文句の下には、

 例の便箋に描かれていた絵にも
勝るとも劣らないくらい丹念に描かれた絵があった。

 今度は彼女と同じ黒髪の少女が
大きな木の下で座っている絵だ。

 その絵の少女は膝を立て、
そのうえにほほづえをついて
何かを待つようにして遠くを見ている。

 吉野は首を傾げたが、
その絵の下の次の言葉を読んで、
胸が熱くなった。

 いつまでも、

 いつまでも、

 今のままでいてね。
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