BLACK 〜それでも君に出会った〜
絶望

絶望への入り口

冷たい風がうなじを吹き抜けた。

あたしは、父に抱きかかえられたまま、
その場所を去っていった。

信じられない現実を、
認めたくなかった。
見たくなかった。

だから、
何も感じていないように
心を閉ざした。

過去の栄光にすがりつくほど
カッコ悪くて、
惨めで虚しい姿を、
誰にも見られたくなんてなかったんだ。
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