そして秘密の〜番外編〜
「すぐ終わるから、2人共、先に行ってていいぞ」



隆志先輩の言葉に、美雪は戸惑っていた。

視線が隆志先輩と沖野先生を、行ったり来たりしていた。



もし、さっき私が感じた事が正解なら……そして、隆志先輩もそれに気が付いているなら……。



「はい。ほら、美雪、行くよ」

私はそう言い、動く気配の無い美雪の腕を引っ張り、その場から離れた。



残された2人が気になるようで、美雪は何度か後ろを振り返っていた。



もしかしたら、美雪の片想いじゃなくて、美雪と沖野先生は付き合っているのかもしれない。

もしそうだとしたら……先生と生徒と言う関係である以上、誰にも2人の事を言えなくて……美雪は辛くないのかな?



ああ、でも……舞台で歌う沖野先生を見る美雪は、嬉しそうだったなぁ……。

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