そして秘密の〜番外編〜
最近ずっと夢を見ていたせいで、僚二の名前に敏感になっている。



分かっている。

美雪は僚二を忘れない。

『それでいい』と言って、俺は美雪を受け止めたんだ。



「知ってるよ、僚二の事」

俺は笑って言った。



「知ってる、って……」

隆志は絶句した。



「気が付かないか? よく兄弟に間違われてたんだけどなぁ……俺は僚二のイトコなんだ」



俺の言葉に、隆志は驚きの表情をした後、無言で何かを考えていた。

いくら似ているとは言っても、世の中には『他人の空似』と言う言葉もある。

名字も違うし、身近な人間同士で意外な繋がりがあって、驚いているのか?

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