そして秘密の〜番外編〜
「ほー、あの噂って、本当なんだぁ」

俺の顔を見て、北野先生は楽しそうに言った。



「噂?」

「おまえが俺の教え子だって、みんな知ってるから、俺に訊いてくるんだよ……『沖野先生にペアのエプロンをして一緒に台所に立つような彼女って、本当に居るんですか?』って」



ああ、文化祭の時、俺が冗談で言ったのを耳にした誰かが、噂を流したのかぁ……。

って、まぁ、今となっては噂じゃなくて、事実だけど。



「おまえ、そんな人居るなら、ちゃんと俺に紹介しろよ?」



……紹介って、『毎日先生も会ってるんですけど』、とはさすがに言えない。

あっ。

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