シルバーブラッド 眠らぬ夜に
自分だって悪魔じゃん。

浩之はちらりと見やった目で、そう突っ込んだ。

「で?桐田さんじゃないなら、一体誰がいいんだ?」

浩之は頭の中でみんなの顔を思い浮かべてみた。

一目惚れする性質ではないので、付き合いの浅い、本社の女の子は除外した。

桐田さんも、一応考えてみる。

でも、やっぱり違う。
 
嫌いじゃないんだけど、彼女は女の子と群れたがり、それを楽しむタイプなので、浩之の好みではなかった。
 
チョコをくれた増田さんも同じだ。
 
二人とも、バリバリと仕事をこなす人なので、そういう点では浩之のタイプに当てはまるのだ。

でも、何かが違う。

「もしかして、薫先輩、とか」
 
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