シルバーブラッド 眠らぬ夜に
どうせ部屋に帰っても、母上からの容赦のない電話攻撃が待っているだけだ。

幸い、携帯の番号は母上に知られていないので、外まで攻撃が追ってくることはないが。

とにかく、あいつが狙ってくる気なら、受けて立つしかないようだ。

気持ちを落ち着けるために、道路の向こう側に渡って、道より下がっている地面に飛び降りた。

土の感触がクッションになる。

そこは浩之の背の高さ程、道路より低くなっていた。
 
浩之は、茂った草の上で足を折り曲げ、膝を抱き、道路の乗っかった土壁に、背を持たせかけた。
 
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