シルバーブラッド 眠らぬ夜に

追い詰めて

浩之はゆっくりと立ち上がって、

震えている彼女の手から、

ピストルを取り上げた。

「もう、やめよう」
 
彼女の目を見つめて優しく言った。
 
彼女は、浩之を見つめ返した。

生きているとは、思えないような、うつろな目。

その目で浩之を確認すると、ぐったりと崩れ落ちた。
 
英樹は、

安堵した表情で浩之を見上げた。
 
何か言いたかったのかもしれない。
 
でも、

聞いてやるつもりはなかった。


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