シルバーブラッド 眠らぬ夜に
「でも嫌ですね。

ちょっと間違うと大やけどだ。

気をつけてくださいね」

「ええ。ごめんなさい。

ちょっと、コピーしてくるわ」

一人で忙しそうな皐月さんが事務所へ出て行くのを見送った。

硫酸の入った何とかメーターを、見るとはなしに見た。

気のせいか、硫酸は水よりきらきらして見える。

ふと横を見ると、一リットルの三角フラスコがあった。

その中身もきらきらしている。

硫酸か。

その隣には、分注器があった。

試験管などに、定量を量って入れるのに使う器具だ。
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