【短】3人の強引彼氏
「は?なんでっ?!」
アタシは誰も居なくなった放課後の教室で
ヒステリックに叫んだ。
「だから!明日にずらしてって」
「意味分かんない!彼女とその女、どっちが大事なの?!」
アタシの声が教室から廊下まで響く。
今日は汰壱がウチに泊まりにくる筈だった。
なのに汰壱、友達の女が事故ったらしくて
今日はそっちに行くと言い出したんだ。
「そんなん、さくらに決まってんだろ?!」
「じゃあ、今日はアタシと居てよ!」
自分でもびっくりした。
自分の口から、"彼女"、"アタシと居て"
なんて言葉が出るなんて……
「だから!さくらは明日でも会えるだろ?そいつは、危険な状態で…っ!」
は?は?は?
「さくらは明日でも会える…?」
自惚れないでよ…!
「もういい!勝手にすれば?!いつも勝手なんだから今日も勝手にすればいいじゃない!」
アタシはそう叫んで教室を飛び出した。
違う……
違うよ。
いつも勝手なんだから
今日くらい良いじゃんって
言おうとしたんだよ?
この時アタシは、どうすればよかったの?
話してくれないで行かれるより
マシだけど……。
聞き入れるべきだった?
ちゃんと考えてくれてたもんね…。
アタシはそのままウチに走って帰った。