追憶 ―箱庭の境界―


「僕」の運命は、
何時から狂い始めていたのでしょうか。


此れは、
未だ自分の事を、
「僕」と言っていた頃の話。


病を患っていた国王が亡くなったのは、あの再会から間もなくの事。

幼少の頃に聞いていた通り、次期国王の座に就いたのはリフィル様だった。


『リフィル女王、万歳!』
『サザエル国、万歳!』

其の即位式も、「僕」はリフィル女王に仕える側近のウィッチとして、直ぐ横で立ち合った。


「僕」は誰。

僕は、マルク。
リフィル様にお仕えする、
女王直属のウィッチ。


僕は、鬼ごっこの鬼。
だけど、
未だもう少し…

逃げる貴女を、
捕まえはしません。


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