LOVEファイト!
中に入ると、不良のたまり場そのものだった。

あちこちに酒瓶と、タバコの吸殻。そして…エロ本が転がっている。

でも奥の方に行けば、ソファとテーブルのセットが置かれてある。

立派な家具は、白雨がそれなりの権力を持っていることを示す。

「さて、そこに座ってくれ」

白雨は1番大きなソファーに座り、わたしは一人かけソファーを勧められて座った。

「自己紹介がまだだったな。俺は2年の白雨(しろう)弓寅(てとら)。よろしくな。月花ちゃん」

「っ! わたしの名前をっ…!」

「知ってるよ、モチロン。玄武のお姫様だもの」

「玄武? お姫様?」

わたしは思わず顔をしかめた。

玄武とはまとめ役の一人の名称だ。

それとわたしが何の関係があるというのか。

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