LOVEファイト!
「おっお待たせ! 月花さん」

「陽菜子、でしょ? あるいは、ひな」

「あっ…」

電話やメールで、苗字を呼ばれるたびに直してきた。

「自分の彼女を苗字でさん付けしてるコなんていないわよ」

「ごっゴメン、まだ慣れなくて…。ひっひなさん」

さんは…まあ目をつぶろう。

「ううん、正義くんにそう呼ばれるのは嬉しい」

ニコッと笑って、彼の手を握った。

「さっ、行きましょ! あそこのビルに入ってる水族館、ステキなのよ」

「うん! あっ、荷物持つよ」

彼はわたしの肩にかけたバッグを見た。


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