冷たい風に打たれて


その事故で非公式に警視庁の特別捜査隊や公安も動いて事件を追った

しかし、何も手がかりは見つけられないままだった

それは現在も同じだった



そして風を操る力を持つ者は風華だけになった


御棺に入っていた父親のマフラーの切れ端、母親の身に付けていたネックレスの一部の桜のチャームだけがそっと置かれていた


風華は泣きもせずに立派に通夜を行なった


しっかりと前を向いて


そして警視庁や政府要人に挨拶を交わしていた


丁寧に一人一人と言葉を交わしてる姿はまだ13歳とは思えなかった


笑いも泣きもしないその姿に皆、驚き、力を持つ者は我々とは違うのだと、両親が亡くなっても平然としていられるのだと誰しもが思った


私ですらその時は全く人間味が感じられずにそう思っていた



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