Salvation 〜救い〜

トシキの眼

あれはトシキが

いつものように先輩たち数人と

お店に来てくれた

たしか真夏の

土曜の晩だったよね



あの日

なんかチョー暑くって

クーラーぜんぜんきかなくって

しかもお店めっちゃ混んでて

あたしもふくめて

女の子たちフル回転して

それでもおっつかないくらいだった



ミカは

トシキと先輩たち3人のテーブルに行きたかったんだけどぉ

指名がいっぱい入っちゃってて

それを順番に

回ってるだけでセイイッパイだったんだよね



そしたら

ミカを指名してくれてたお客さんの中で

なかなか順番が来ない人が

いっきなり怒りだしちゃったんだよね



そのお客さん

もうけっこうおじさんなんだけどぉ

なんかちょっとあぶない人で

かなりイライラしてたみたい



で 順番どおりに

指名されたテーブルに行こうとして

そのおじさんの横を素通りしようとした

その瞬間

手首をガッとつかまれて

大声だされた



「ミカっ いつまで待たせんだよお!ナメてんじゃねえぞ コラァ!」



って

チョー怖かったぁ



トシキたちは

たまたまそのおじさんのテーブルの

横の席だったんだよね



で トシキとそのおじさんが

たまたま目が合っちゃたんだって

あとで言ってたよね
< 22 / 103 >

この作品をシェア

pagetop