いくつかの夜
日曜に仕事の彼女。



秋野 沙良(あきの さら)

25歳

実家の花屋を手伝っている。


残業している俺


牧野 哲也(まきの てつや)

27歳

建築家の卵
(いや、そろそろ孵化しそうな気もしている……本人談)


一応恋人同士である。

高校のサッカー部で知り合った。

沙良はマネージャーだった。

真っ赤にあかぎれしている指を見て、たまたまもっていたキズバンをあげたことから始まった恋。

名字も似てるって盛り上がって…よくあるやつ。

それから10年。

よく続いていると思う。

もうそろそろ年貢の納め時………って時期………なんだろう。

しかし、仕事が忙しい俺に気をつかっているのかいないのか、全くそんな催促をしない沙良。

それに便乗し、ずるずると先伸ばしにしている。

ちゃんと考えてはいるのだが、タイミングがなかなか………


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