甘めな年上彼氏
「えっ、あっ…はい。」
考えてもない答えに
少したじろいだ。
そして向井さんが
ゆっくり話し始める。
「俺さ…好きな子いるんだ。
自分より年下の子。」
…………聞きたくない。
他の子が
好きだなんて言葉
聞きたくない。
「俺なんてたぶん
眼中にないって思ったから
少し離れたんだけど
やっぱりその子の笑顔
見るとホッとするんだ。」
「本当に…好きなんですね。」
きっとあたしは
いまひどい顔してる。
「やっぱりさ…
高校生からしてみれば
俺なんておじさんかな??」
高校生なんだ…
向井さんの好きな人。